SATOTSUGI PROJECT
チーム・ソバ 楽農民プロジェクト

川島に受け継がれてきた種と里山資源を、次の生業へ|チーム・ソバ/楽農民プロジェクト
記事公開日:
2026年4月25日
プロジェクト名:
何の課題に取り組んでいるか
地域に眠る資源を、次世代の生業へつなぐ
川島には、かつてから地域の中で守られてきた在来のソバや、自家採種されてきた豆類、地域に自生するクロモジなど、暮らしと農の中で受け継がれてきた資源があります。
一方で、農家の高齢化や担い手不足により、遊休農地の増加や、地域に残る種・作物・山野草の記憶が失われていくことが課題になっています。
このプロジェクトでは、そうした地域資源を掘り起こし、農地保全や商品化、農業体験へとつなげることで、川島の里山を次世代に受け継ぐための小さな生業づくりに取り組んでいます。
具体的に何に取り組んでいるか
在来ソバ・クロモジ・種とり野菜を活かす3つの取り組み
主な取り組みは大きく3つです。
ひとつ目は、在来ソバの育成です。以前から自家採種されてきたソバの種を小澤朝一さんから提供いただき、「川島在来のソバ」として育てる取り組みを進めています。令和7年度は4kgを播種し、160gのソバを収穫しました。
ふたつ目は、遊休農地を活用したクロモジ栽培です。養命酒製造株式会社と協働し、家の裏にある遊休農地にクロモジを植える取り組みを行いました。あわせて、地域に自生しているクロモジの調査や、わらびの移植にも取り組んでいます。クロモジについては、合計13.4アールの畑に1,184本の植え付け要望が整理されています。
三つ目は、地域に残る種とり野菜の発掘です。各耕地で昔から自家採種されてきた野菜を聞き取り、地域に残る種の情報を集めています。令和7年度は、小澤澄子さんから「しもふりいんげん」、一ノ瀬みち子さんから「お盆あずき」「白あずき」「きんときまめ」「とら豆・うずら豆」、小澤朝一さんから「在来川島ソバ」を提供いただきました。

現時点での成果
小さな実践から、地域資源の可能性が見えはじめた
令和7年度の成果として、まず、川島に残る在来ソバの栽培が始まりました。収穫量は160gとまだ小さな一歩ですが、地域に残っていた種を実際に畑で育て、次年度につなげる種として残すことができました。
また、クロモジについては、養命酒製造株式会社との協働により、遊休農地を活用した栽培の第一歩が動き出しました。農地をただ管理するのではなく、地域に自生する植物資源を活かし、将来的な商品化や販売先開発へとつなげていく可能性が見え始めています。
さらに、種とり野菜の聞き取りを通じて、川島に残る在来作物や豆類の存在が具体的に見えてきました。これらは単なる農作物ではなく、地域の暮らしの記憶や食文化を伝える大切な資源でもあります。

今後に向けた課題
育てる・食べる・販売する・体験する流れをつくる
令和8年度に向けては、在来ソバについて、令和7年度に収穫した160gの種から15kgの収穫を目指す計画です。あわせて、川島在来のソバづくりを農業体験として企画し、地域内外の人が関われる機会に育てていくことが課題となります。
クロモジについては、昨年定植した苗の管理や補植、地域に自生するクロモジの収穫体制づくりが必要です。また、作業工程の少ない野菜、山菜、山野草などを遊休農地に作付けし、農地保全と商品化を両立させていくことも今後のテーマです。
種とり野菜については、農地調査チームと連携しながら、各家庭や耕地に残る在来作物の聞き取りをさらに進め、種・苗・作物の情報を整理していくことが求められます。地域の中に眠っている資源を見える化し、育て、食べ、販売し、体験として共有する流れをつくることが、次の段階の課題です。
まとめ
川島の風景と記憶を、みんなで育てていく
チーム・ソバ/楽農民プロジェクトは、川島に受け継がれてきた在来の種や里山の植物資源を、農地保全や新たな生業づくりにつなげる取り組みです。
在来ソバ、クロモジ、種とり野菜。どれも一見すると小さな地域資源ですが、その背景には、川島の暮らし、農の知恵、土地との関わりが息づいています。
これらを掘り起こし、次の世代へつなぎ直していくことは、単に農作物を育てることではありません。川島の風景と記憶を守りながら、これからの里山の生業をみんなで育てていく試みです。
チーム・ソバ/楽農民プロジェクトメンバー

関係者・協力者
小澤朝一さん、小澤澄子さん、一ノ瀬みち子さん
根橋正美さん、荒井正彦さん、小澤睦美さん、中村智子さん、伊藤信一さん、𠮷田良彦さん、小澤清さん
協働:養命酒製造株式会社
ライター:
北埜航太
同プロジェクトの新着記事
Media Top
